VAPEを本格的に楽しむために、ワイヤーにはどのような種類があるのか、またビルドはどのようにすればいいのか気になっている人もいるでしょう。この記事を読むことで、VAPEのワイヤーについて網羅的に理解でき、VAPEでビルドを楽しむイメージをつかみやすくなります。ここでは、ワイヤーの種類や使い方、またビルドする際のコツや注意点について紹介します。
Contents1.VAPEのワイヤーとは
そもそも、VAPEのワイヤーとはどのようなものなのでしょうか。VAPEワイヤーは、簡単にいうと「自作でコイル巻きをする際に使用する」もののことです。なお、コイル巻きとはいわゆる「ビルド」のことを指します。VAPEのワイヤーといっても種類はさまざまであり、素材・太さ・形状の違いなどがみられます。なお、ワイヤーは太さの違いによって抵抗値が違ってくることを、きちんと理解しておくのが大切です。どのようなワイヤーを選んでビルドするかによって、味わいや煙の出具合が変わることがあります。
また、ワイヤーの種類によってビルドのしやすさにも差が生じます。ビルド初心者には扱いにくい種類のワイヤーもあるため、選び方には注意が必要です。なお、ワイヤーは一般的に「VAPE専門店」や「ネット」などで購入できます。店員などの知識のある人に相談してワイヤー選びをしたい場合はVAPE専門店、豊富な選択肢のなかから自宅で気軽にワイヤー選びをしたい場合はネットで購入すると良いでしょう。
2.VAPEのワイヤーの基礎知識
VAPEのワイヤーの太さや抵抗値によって、どのような違いがあるのでしょうか。VAPEのワイヤーの基礎知識として、太さや抵抗値について詳しく見ていきましょう。
2-1.太さ
VAPEのコイル用ワイヤーは、「アメリカンワイヤーゲージ」の規格の数字によって、太さが示されます。なお、アメリカンワイヤーゲージは「AWG」と略されることがあり、ゲージは「ga」と表記されます。たとえば、「22ga」というように表されるのです。なお、ワイヤー数値が大きいほど直径が細く、ワイヤー数値が小さいほど太いという意味になります。
AWGの規格の数字は偶数で、VAPEのコイル用によく使われる太さは30・28・26・24・22ゲージです。直径でいうと、24ゲージが「直径約0.51mm」で、26ゲージが「直径約0.4mm」になります。規格数字1段階で、約0.1mmの差が生じます。
2-2.抵抗値
VAPEのワイヤーはどのようなものを使うかによって、「抵抗値」が変わってきます。ワイヤーの太さが変わると、抵抗値も違ってくるのです。具体的には、ワイヤーが細いと高抵抗、反対にワイヤーが太いと低抵抗となります。また、使うワイヤーの素材によっても抵抗値が異なるため、素材選びは慎重に行うのが肝心です。
VAPEでワイヤーを使用する場合、ぐるぐると巻いてコイル状にする必要があります。このコイルの巻き数によっても、抵抗値が変わってくるため要注意です。コイルの巻き数が多いと高抵抗、巻き数が少ないと低抵抗となります。ワイヤーの抵抗値次第で、ビルドしたコイルの抵抗値も変わってきます。コイルの抵抗値が低いほどワット数が上がり、煙の量が増えるのが特徴です。ただし、煙の量は増えるものの、リキッドの風味は飛びやすくなるといわれています。
3.VAPEのワイヤーの種類と特徴
VAPEのワイヤーは種類ごとに、どのような特徴があるのでしょうか。味わいや煙の出具合などがどう変わるのか、VAPEのワイヤーの種類とそれぞれの特徴について確認していきましょう。
3-1.単線
VAPE用ワイヤーの種類の一つとして挙げられるのが「単線ワイヤー」です。単線ワイヤーとは、その名前の通り1本の線のワイヤーのことを指します。VAPE用のワイヤーのなかでも、基本となるワイヤーです。メーカー・素材・太さなど、多様な単線ワイヤーが販売されています。単線ワイヤーは、ビルド初心者でも扱いやすいという特徴があります。
そのため、初心者の場合はまず扱いやすい単線ワイヤーを使って、ビルドの練習をするのも良い手です。単線ワイヤーは素材によって値段に差はあるものの、市販のコイルであるプリメイドコイルよりは経済的だとされています。ワイヤーの素材や巻き方によって、煙の出方や味わいに変化が生まれるのが魅力です。
3-2.クラプトン
クラプトンワイヤーとは、1本の単線ワイヤーを軸として、その外周に別のワイヤーが巻きつけられたもののことです。なお、クラプトンワイヤーのなかにも種類があり、巻き方によってそれぞれ呼び方が異なります。具体的には、基本となるクラプトンワイヤー、芯線が2本に巻かれたヒューズドクラプトンワイヤーなどです。
さらに、芯線を取り除いたエイリアンクランプトンワイヤー、外周が等間隔に並ぶスタッガードクランプトンワイヤーなどがあります。クラプトンワイヤーは、単線ワイヤーに比べると価格が高い傾向にあるのが特徴です。また、ワイヤー同士が密集しているため、リキッドの保持力が高いという特徴もみられます。ウィックとの接地面積が広いため煙が出やすく、シルキーな味わいを楽しめるのがメリットです。
4.VAPEのワイヤーの素材と特徴
VAPEのワイヤーは、「素材選び」が重要なポイントとして挙げられます。VAPEのワイヤーにはどのようなものがあるのか、素材の種類と特徴について確認していきましょう。
4-1.カンタル
カンタルは、鉄クロムアルミニウム合金で作られたワイヤーのことです。酸化に強く、ワッテージモードで多く使用されます。なお、温度管理モードでは使えないため、注意が必要です。カンタルは素材が柔らかく、扱いやすいという特徴があります。コイルを製作する際にも型崩れしにくく、初心者のビルドにも向いています。
また、抵抗値が高いのも特徴の一つです。カンタルは扱いやすさから人気が高く、多く使われていることから、比較的安価で手に入りやすいというメリットがあります。
4-2.ニクロム
ニクロムは、ニッケルとクロムの合金で作られたワイヤーです。鉄分が含まれており、歯科で治療用の詰め物としても使用されています。ニクロムはカンタルと同様に柔らかく、温度管理モードでは使えないのが特徴として挙げられます。なお、カンタルと比較すると、やや抵抗値が低めです。
また、ランプタイムと呼ばれる加熱速度が速いという特徴があります。ニクロムは金属臭が少なく、リキッドの味をクリアに味わえるのが魅力です。ただし、ニッケルが含まれているため、ニッケルアレルギーの場合は使用しないよう、細心の注意を払う必要があります。
4-3.ステンレス
ステンレスは、クロム・ニッケル・カーボンの合金です。さまざまなグレードのステンレスワイヤーがあり、数字でグレードが示されています。カンタル同様、型崩れしにくいのが特徴です。なお、ステンレスはワッテージモードと温度管理モードの両方で使用できる素材で、万能さが魅力として挙げられます。
ランプタイムはニクロムワイヤーと同じく、カンタルワイヤーより速い傾向にあります。ただ、ステンレスは冷めにくい素材であるため、連続使用には向いていません。したがって、チェーンスモーカーの人には不向きな場合があるため、注意しましょう。
4-4.ニッケル
ニッケルは、「Ni200」として使用されるケースが多くみられます。これは、ニッケルの純度99.9%以上のワイヤーのことです。ニッケルは温度管理モード専用で、柔らかい素材のワイヤーだといわれています。柔らかさからコイルの形が崩れやすく、初心者には扱いがむずかしい傾向です。また、抵抗値が低く、サブオームで運用する爆煙仕様向きだとされています。ただ、ニッケルが含まれているため、ニッケルアレルギーの場合は使わないようにしましょう。
4-5.チタン
チタンは純粋なチタン製のワイヤーで、ニッケルと同様に、温度管理モード専用の素材となります。コイル製作の際に型崩れしにくく、巻きやすいのが魅力です。なお、抵抗値は比較的低い傾向にあります。チタンは金属臭が少なく、リキッドの味をクリアに味わえるのが特徴です。ただし、ニッケルが含まれているため、ニッケルアレルギーの場合は使用を避けましょう。
5.VAPEワイヤーでビルドする手順
ビルドをすることにより、より自分が理想とするVAPEに近づけられます。ただ、実際にビルドをするとなると、「手順がわからず不安」という人も少なくありません。安全にVAPEを楽しむためにも、実際にビルドをする際の手順や、ワイヤーの使い方についてチェックしていきましょう。
5-1.必要な道具を揃える
ビルドをするにあたり、必要なものには「RDA」「バッテリーもしくはMOD」「ワイヤー」などが挙げられます。また、コイルを製作するための「コイルジグ」、コイルの調整に用いる「オームメーター」、コットンを切ったり熱したコイルの形を整えたりするための「ピンセット」なども用意しておきましょう。それに加えて、コットンなどを切るための「ハサミ」、ネジを締めるときなどに使う「精密ドライバー」、ワイヤーを切るのに使う「ニッパー」なども必要です。それに加えて、「バーナー」や「コットン」も手元に用意します。
ただ、これらの道具をすべて専門店で購入するとなると、費用が気になるという人もいるでしょう。費用が気になる場合は、必ずしもすべての道具をVAPE用として、専門店で揃える必要はありません。たとえば、コイルジグ・ピンセット・コットン、またニッパー・ハサミなどの道具は、100円ショップで売っているものを用意しても良いとされています。
5-2.抵抗値を計算する
VAPEワイヤーでビルドする手順としては、まず設定した目標となる抵抗値をもとに、「抵抗値の計算」を行います。抵抗値の計算というと、「むずかしそう」だと感じ、苦手意識を持つ人もいるでしょう。このような場合は、抵抗値を計算してくれるサイトやアプリを利用すると便利です。
サイトやアプリなら、ワイヤーの素材・太さ・巻き方、また目標抵抗値などを入力すると、何巻きすればよいのか表示されます。サイトやアプリで計算した結果を設計図として、実際にビルドしていくと安心です。
5-3.巻いていく
コイルの巻き方の指針が決まったら、いよいよ実際にコイルを巻いていきます。まず、ワイヤーを切り出します。続いて、コイルジグを使用し、ワイヤーを巻き付けていく作業に移るのです。このとき、均一さを意識するのがポイントです。ゆるまないように、コイルの切りっぱなしにした足部分を引っ張りながら巻いていきます。ペンチを使用すると力が入りやすいため、女性や肌の弱い人は、指よりもペンチで引っ張ると良いでしょう。
5-4.アトマイザーにセットする
コイルを巻き終えたら、アトマイザーにセットしていきます。手順は、まず巻きあがったコイルをバーナーで炙ります。その後、ピンセットで隙間をなくすようして整え、アトマイザーにセットすれば大丈夫です。なお、バーナーを使用せず、アトマイザーにセットしてから、MODで少しずつ熱を加えるという方法でも問題ありません。
セットしたら、オームメーターを使って抵抗値を計測し、ちょうど良い数値になっているかどうかを確認します。その後、コットンウィッキングを行えば完了です。
6.VAPEワイヤーで自作できるコイルの種類
VAPEワイヤーで自作できるコイルには、どのようなものがあるのでしょうか。自作できるコイルの種類と、その特徴について見ていきましょう。
6-1.マイクロコイル
マイクロコイルは、「隙間なくきっちりと巻いたコイル」のことで、コイル巻きの基礎ともいわれています。コイルジグがあれば、誰でも簡単かつきれいに巻けるのが魅力です。難易度が低く、初心者向きなので練習として作成するのも良いでしょう。ただし、マイクロコイルはガンクが付きやすいのがデメリットで、必然的にコイルの交換頻度が高くなります。
6-2.スペースドコイル
スペースドコイルは、隙間なくきっちり巻くマイクロコイルとは異なり、「隙間を空けて巻いたコイル」のことを指します。マイクロコイルと比較すると、ビルドの難易度がやや高い傾向にあります。スペースドコイルは、セットする際やコットンウィッキングのときなどに歪んでしまうことが多いのがデメリットです。
その反面、形状から通電が早く、立ち上がりも早くなるというメリットがあります。また、ガンクによるドライヒットは、マイクロコイルより少ないといわれています。
6-3.クラプトンコイル
クラプトンコイルは、「クラプトンワイヤーを使用したコイル」のことです。初心者は単線ワイヤーを使うほうが簡単であるため、クラプトンコイルは中級者以上向きだといわれています。クラプトンコイルはコットンと接する面積が広いうえに、抵抗値も低くなるため、煙が出やすく爆煙を楽しめるという特徴があります。ただ、ワイヤー自体の価格が高い傾向にあり、コストがかかりやすいのがデメリットです。
7.VAPEワイヤーでビルドするコツ・ポイント
VAPEワイヤーでビルドするときのコツやポイントには、以下のものが挙げられます。まずは、初心者がVAPEのビルドをする場合は「扱いやすさを重視する」というのがポイントです。ワッテージモードの場合は、カンタル素材の単線ワイヤーなどを使って練習をすると良いでしょう。
温度管理モードの場合は、比較的扱いやすいとされている、ステンレススチール素材の単線ワイヤーを選ぶのも良い手です。さらに、作成するコイルの種類は、難易度を意識するのがポイントといえます。難易度が低いとされるマイクロコイルにすると、初心者でも安心です。
8.VAPEワイヤーを使ってビルドする際の注意点
VAPEワイヤーを使ってビルドする際は、「対応デバイス」を確認するのが注意点として挙げられます。VAPEのビルドは対応デバイスが限られており、すべてのデバイスでビルドができるというわけではありません。ビルドをするには、アトマイザーのなかでも通称「RBA」と呼ばれる、「リビルダブルアトマイザー」を選ぶようにしましょう。
また、アトマイザーによっては巻き方が異なる場合があるため、注意する必要があります。コイルの右から見て時計回りに巻かれている「逆巻」と、逆巻とは逆の「順巻」という巻き方をするものに分かれているため、どちらなのかをきちんと確認するのが肝心です。さらに、ビルドはスターターキットなどの規格化された製品とは異なり、安全性も自分で確保しなければいけません。安全にビルドを行うためにも、きちんと知識を身に付けておく必要があります。
VAPEのワイヤーは難しくない!早速ビルドに挑戦しよう
VAPEのワイヤーの種類は豊富にあります。ワイヤーはきちんとそれぞれの特徴を理解し、目的に合わせて選ぶのが肝心です。紹介した知識を念頭に、コツや注意点を踏まえればビルドはすぐに始めることができます。ビルドに挑戦することで、VAPEの楽しみ方をより広げられます。まずはおすすめしたワイヤーで、コイルの自作をしてみてはいかがでしょうか。
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