VAPEにおけるコットンは、VAPEの味を左右することもあるので実は重要なポイントの一つです。この記事では、VAPEのコットンについて、基礎知識やセッティング、その注意点を説明していきます。また、よくある悩みや、その解決法までも併せて紹介していきます。この記事を読めば、VAPEのコットンについて理解でき、さまざまなコットンを試すのが楽しみになるでしょう。
Contents1.VAPEコットンに関する基礎知識
コットンは、VAPEを使用するうえで必要なウィックの一つとして使用される綿のことです。ウィックには主にリキッドを保持し、供給する役割があるため、どんなコットンを使うかによって、フレーバーの再現度が変わってきます。また、リキッド供給のスムーズさや、コイルの焦げ付きを防ぐためにも使われるため、非常に重要な役割を担っています。ウィックには、コットン以外にもシリカやエコウール、麻などが用いられる場合もありますが、もっとも一般的なのはコットンといって過言ではないでしょう。
特に、自分でコイルを巻いてウィックをセットするアトマイザーの「RBA(リビルド・エイブル・アトマイザー)」においては一番人気の素材です。ビルドするときの最終工程である、ウィックを作成しコイルに通す工程のコットンワーク(コットンウィッキングともいう)でよく用いられています。
2.VAPEで使用できるコットンの種類と違い
VAPEで使用できるコットンは、主に二つの種類に分けることが可能です。VAPE専用のものか、もしくは、一般的な化粧用も使うことができます。それぞれにメリットがあるため、自分に合ったものを使いましょう。それぞれの特徴について紹介していきます。
2-1.VAPE専用コットン
一つ目が、その名の通り、VAPEで使用することを目的に作られたVAPE専用のコットンです。価格は一般的な化粧用コットンに比べると高いものが多いため、そこが唯一のデメリットではありますが、それを考慮しても有り余るメリットが多く存在します。もちろん、必ずしもVAPE専用コットンを使用する必要はありません。しかし、専用に作られているのでその分使いやすいことは確かです。
まず、リキッドの浸透率が高いということがメリットとして挙げられます。浸透率が高いとリキッドの供給もスムーズになり、ストレスを感じることなくVAPEを楽しむことができます。かつ、リキッド本来のフレーバーをより鮮明に再現することもできるので、味わいの深さを実感することも可能です。加えて、焦げたミストを吸ってしまうドライヒットという現象の防止を重視したものも多いため、より安心して楽しむこともできるでしょう。
また、前述の通り、ひとつひとつの価格は高いと感じる人もいるのは間違いありませんが、強度の高さを重視しているものが多く、交換頻度を減らすことも可能です。そのため、長い目で見ればコストを抑えられる場合もあります。専用コットンは、VAPE専門店はもちろん、ネットでも購入できます。シート状のものや、ウィックとして使いやすいようにひも状になっているものなど形状もさまざまです。自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
2-2.化粧用コットン
化粧用として販売されているコットンも、ウィックとして使うことは可能です。もちろん、VAPEでの使用を目的に作られたものではありませんが、中にはVAPEユーザーに人気で定番となっているものまであります。化粧用コットンであれば、100円ショップで購入することもできます。また、有名化粧品メーカーの上質なものまで多岐にわたるため、値段もさまざまです。形状としては、ほとんどが小さめの長方形になっています。
購入できる場所も、VAPE用コットンと比較しても数多くあり、ドラッグストアや100円ショップなどの量販店のほか、もちろんネットでも購入可能です。安くかつ、どこでも手に入りやすいという点は、特にVAPEのヘビーユーザーにとっても大きな魅力といえるでしょう。ただし、あくまでも化粧用の用途で作られているということには注意が必要です。VAPE専用コットンと比較すると熱に弱いので、気を付けて扱わないと、思わぬ事故を引き起こしてしまう可能性は、なきにしもあらずです。
3.VAPEコットンのセッティングの流れ
VAPEコットンのセッティングにはいくつか方法がありますが、スコティッシュロールという有名なコットンワークの流れを紹介していきます。コットンワークを正しく行わないと、万が一の危険な事故を起こしてしまうこともあります。安全にVAPEを楽しむために、手順はしっかり押さえておきましょう。まず、適量切り出したコットン表面の硬い部分を、ピンセットなどで剥がして捨て、中のやわらかい部分を取り出します。この取り出しは、コットンの両面行いましょう。さらにコットンが薄くなるくらいほぐして大きくしていきます。
十分な大きさが取れたら、コイルに通すため、コイルの内径を加味したうえで巻いていきます。巻き終えたら、片側をこより状にねじってコイルに通しましょう。このとき、コットンの量が多過ぎても少な過ぎてもよくありません。適度な量でないと、ドライヒットを起こしたり、リキッド漏れを起こしたりして危険です。きつ過ぎない程度にコイルに通していきましょう。
通し終わったら、不要な部分をカットして、ピンセットなどで両端をよくほぐしつつコットンをやわらかくしていきます。最後に、アトマイザーの中に押し込めば完了です。
4.VAPEコットンセッティングの際の注意点
前述の通り、VAPEコットンをセッティングする際には、その量に注意しなければなりません。また、長さにも注意する必要があります。それぞれの観点から、注意点の詳細を紹介していきます。
4-1.量
コットンの量に関しては、コイルの内径に対して適量を使用するよう心掛けましょう。コットンの量が多過ぎてしまうと、リキッドを吸い上げる力が弱まってしまいます。すると、供給不足となりコットンが焦げる原因へとつながります。結果的にドライヒットを起こすほか、やけどや、故障の原因となり大変危険です。反対にコットン量が少なすぎると、リキッドの気化量が少なくなり、熱いリキッドが跳ね返ってくるスピットバックという現象が起こりやすくなってしまいます。
4-2.長さ
コットンの長さについては、VAPE本体のタイプによって若干異なります。RDAの場合、構造上タンクがありません。ジュースウェルというリキッドを保持する受け皿があるだけなので、ここにちょうど届くくらいの長さにしましょう。長過ぎるとリキッド漏れの原因になってしまいます。特にニコチン入りのリキッドの場合、リキッドが手に触れるだけで危険なので、リキッド漏れには十分な注意が必要です。逆に、短過ぎると底に届かず、リキッドの供給不足になってしまいます。
また、タンクが付いているRTAの場合は、アトマイザー内のジュースチャネルと呼ばれる、リキッド供給用の隙間を塞がないようにしなければなりません。かつ、入り口には触れるような長さがちょうどよいとされています。塞いでしまうとリキッドの供給不足に、反対に隙間があり過ぎるとリキッド漏れにつながってしまいます。
5.VAPEコットンに関する悩みと解決法
VAPEコットンの扱いは、慣れていないと思わぬ事故などを引き起こしてしまう危険性もあります。VAPEコットンに関する、よくある悩みとその解決法について紹介していきます。
5-1.コットンが焦げる
この場合の解決策の基本としては、コットンにリキッドがしみ込むように工夫することが大切です。コットンが長すぎたり、はみ出したりしないように、適量を設置することを心掛けましょう。両側からコットンを軽く引っ張ったとき、ほとんど動かないくらいが適量とされています。また、両端をよくほぐしておくことも大切です。ピンセットなどを使ってやわらかくしましょう。
さらに、コットンの質も重要です。両端から乾くような良質なコットンを選ぶと、コットンの焦げ付きを防ぐことができます。リキッドが繊維を上がっていく毛細管現象の効率が良いので、乾きにくいためです。また、吸い方自体の対策としては、吸う間隔にも注意しましょう。間隔が短くなると、リキッドが浸透する前にコットンが乾いてしまい、焦げの原因になります。
5-2.コットンのせいでリキッドが漏れる
コットンによるリキッド漏れは、コットンのヘタリと、リキッドを保持する力の低下が原因の一つです。これは、コットンの質によっても差が出ます。そのため、VAPE専用のコットンを使用することで、よりリキッド漏れを長い間防ぐこともできます。そのうえで、コットンワークにおいても漏れにくさを意識して行うことが大切です。まず、コットンを巻くときは隙間なく固めに巻きましょう。コイルに通した後は、コットンをねじった方向と反対方向にねじり、繊維をまっすぐに戻すと、コットンがコイルから抜けにくくなります。また、デッキ下のコットン穴に、コットンをしっかりと入れ込むことも意識しましょう。この際、リキッドの逆流を防ぐため、コットンの形をきれいな逆Uの字に整えることが、漏れを防ぐコツです。
5-3.コットン臭がする
人によってはコットン臭が気になることもあるでしょう。そのような場合は、ビルドの際、コットン臭を取り除くため臭いを飛ばす作業を試すと効果的です。まず、リキッドをコットンに垂らし、約3秒間気化させます。これを3~5回行いましょう。何度かたくことで、コットン臭が飛ぶ効果が期待できます。さらに、その際、コイルの上に放射状に煙が出るようにするのが理想です。デッキの下部に煙があたってしまうと、意図しない方向から煙が出てしまいます。その場合は、コットンの量や供給を見直して再度行いましょう。
飛ばす作業をしてもコットン臭が気になる場合、コットンそのものの臭いが強い可能性が高いです。もしくは、リキッドとの相性が悪いことも考えられます。コットンやリキッドを変えながら、自分に合う組み合わせを探しましょう。
5-4.コットンの交換時期
コットンの交換時期は、コットンにリキッドが沢山染み込んでいる状態では見極めが難しいです。そのため、まずはコットンが乾くところまで吸い切ります。汚れと焦げから確認するには、コットンの白さを確認しましょう。リキッドを含んでいない状態なのに、コットンが白くならない場合は、交換の目安です。また、コットンの端をつまんだとき、容易に動いてコイルから抜ける場合は、コットンが焦げて痩せているので、その場合も交換時期といえます。さらに、コットンだけでなく、コイルにも焦げたリキッドが付着して汚れている場合も交換するタイミングです。今後の交換に役立てるためにも、交換の際には、どのリキッドをどのくらい吸ってコットンがこの状態になったか覚えておきましょう。
6.おすすめのVAPEコットン
VAPEでの使用に人気のコットンを、VAPE専用、化粧用の両方から6つ紹介していきます。ぜひコットン選びの参考にしましょう。
6-1.無印良品
化粧用コットンの代表格が、この商品です。国産オーガニックコットンなので、健康への影響を気にする人にも人気があります。繊維が長い綿を無漂白のまま使用しており、やわらかな肌触りもまた特徴的なコットンです。さらにリキッドの供給においても評価が高く、ミストの量にバラつきがありません。安定した味を楽しむことができます。加えて、安価で手に入るため、コスパが良いのも人気の理由といえるでしょう。
6-2.クレ・ド・ポー・ボーテ・ル・コトン
化粧用コットンの二つ目がこの商品です。世界的に有名な化粧品ブランドの資生堂の中でも、高級なラインから出ているコットンです。厳選された素材で作りあげられており、表面には天然シルクが使用されています。その割には安いという声も多いです。リキッドの供給がよく、ミスト量が多いため、VAPEに使用しても全く問題ないといえるでしょう。
6-3.江原道 オーガニックコットン
化粧用コットン最後の紹介は、江原道から出ている国産オーガニックコットンです。江原道は、1986年設立の日本の化粧品会社で、映画やドラマ、舞台の現場で使用されることも多い、実績のある企業です。そのコットンにおいては、もちろんオーガニックに加えて、化学処理を行わず、無漂白かつ、無着色のため、健康への影響を気にする必要はありません。ややコットン特有の臭いを感じる人もいるので、気になるのであれば、味が強くて特徴あるリキッドの場合に使用すると良いでしょう。
6-4.KENDO(ケンドー) VAPE COTTON GOLD
VAPE専用に作られたコットンの一つです。原産国は日本で、製造はマレーシアで行われています。1.2mの紐状の形状をしており、色はやや黄色みを帯びています。「吸う」という意味合いでいえば供給はあまり良くはないといえるでしょう。基本的にリキッドを吸わないといって過言ではありません。ただし、リキッドを多めにして一度浸透してしまえば全く問題なく供給が可能です。保持力が高いため焦げにくいというメリットもあります。
6-5.WICK'N'VAPE COTTON BACON(ベーコン) Ver.2
世界中で人気の高いVAPE用コットンです。アメリカ製で、100%オーガニックコットンのため健康への影響は見当たりません。無臭な純白コットンも人気の理由の一つです。繊維方向が一律で密度もあるため、扱いやすいといえるでしょう。湿気から守るジッパーバッグ仕様のため、持ち運びがしやすいのも利点です。
6-6.Coil Master Pro Cotton
このコットンは、VAPE用コットンの中でも比較的安価な製品です。3ロール分帯状のコットンがパッケージングされています。100%インドネシア産のオーガニックコットンなので、ほかの製品と比べても安全性は遜色ありません。吸湿性の良さと、細かな質感が特徴です。ケミカル処理もないため、薬品の臭いがすることもないといえます。コットン臭も、最初にリキッドを一滴たらせば少なくなるでしょう。また、ドライヒットしにくいということもメリットの一つです。ドライヒットの味が薄いため、比較的喉を痛めにくいことに特徴があります。
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